香水の流行

香水の分野における流行をながめてみると、香水の分野でもいろいろな香りが市場に出て、あるものはヒットしあるものは話題にならずに消えている物もある。

即ちたしかに流行した香りというものがある。

しかし香水の場合は次の理由により大多数の人が認め得るほどの現象としての流行がありえない。

  1. 香水は使う人の数が極めて少ない。
  2. そして他人の香水を観察する機会がまずない。
  3. そのうえ一般の人は香水の香りの識別能力が弱いので変化の認識が難しい。
  4. 香水は、一つの香りを自分の香りとして愛用する為、一種類の香水サイクルが非常に長い。

などの特殊な事情で、よく売れた香水でも香りそのものなのか、ブランド名や容器デザインや商品コンセプトであるのかが不明確である。

そこで商品ではなく、専門的立場から調香上の流行としてながめてみます。

近代の香水は80年以前のゲランのジッキー頃から始まったとして、その80年の間に世に出た世界の名香をながめてみて調香上の大きな流行は二つではないかとおもはれます。

第一は1921年シャネルNo.5を先頭とするアルデヒドキャラクターを導入したアルデヒドタイプの流行であり、もう一つは1945年に出たバンベールに始まり、1960年代に開花したグリーンをキャラクターの流行である。

一世を風靡した香水

これら2つのタイプは完全に一時代を風靡しそして現在でも香水の分類上におのおのジャンルを持つほどに定着している。

この事実を流行学的に見るとアルデヒド時代もグリーン時代もいわゆるモノバナレ時代に流行しているが。

アルデヒドにせよグリーンにせよ一種革命的な名調香でありこれが世に認められたのはモノバナレ時代をおいてないのではないか。

バンベールは1945年ではなく1960年代に出ればNo.5タイプと同様バンベールタイプとして史上に残った筈。

グリーンの流行についてはその理由としてあくまでも新しさ、創造性のある香水が、それを容認できる時代に出たということだと思う。

もう一つ調香上の流行はジャスミン系のニューケミカルの使用であり現在この香料も完全に定着した感がある、これも1965年頃開発され何か新鮮さが求められた良い時代に出たものと言える。

そしてこの素材はグリーン時代の一役をもにないまた調香上の利便性も獲得し今日ピークを示しているようにおもえます。

以上、流行現象の本質を調べ、香りの良し悪しをいう時、流行学的アプローチを指摘したが、最後に香水を一つの芸術作品としてとらえれば美学的アプローチであるといえる。